【B’z機材】松本孝弘サウンドシステム~BREAK THROUGHツアー編~

今回は「B'z LIVE-GYM "BREAK THROUGH"(以下『BREAK THROUGHツアー』)」のサウンドシステムについてまとめていきます。

よく知られているのはオフィシャル・バンドスコアの写真およびシステム構成図ですが、当時のツアーパンフレットには全く別の詳細システム構成図が掲載されていますので併せて紹介します。

⇒2021/06/15更新
オフィシャル・バンドスコアとツアーパンフレットの製作時期を考慮するとオフィシャル・バンドスコアの情報の方が新しい可能性もありますが、システム構成図に関してはより詳細なツアーパンフレットを中心に紹介しています。

メインラック

写真:1990年発行 リットーミュージック『バンド・スコア B'z BREAK THROUGH + BAD COMMUNICATION』P.11

ラックの中身は上から順に下記の通りです。

  • SR&D: ROCKMAN SUSTAINOR (マルチエフェクター)
  • SR&D: ROCKMAN MIDI OCTOPUS (エフェクトスイッチャー)
  • YAMAHA: SPX50D (デジタルエフェクトプロセッサー、2台)
  • SR&D: ROCKMAN XPR (プログラマブル・マルチエフェクター)
  • YAMAHA: ODE-100 (オーバードライブ・ウィズ・エキサイター) ←ラック奥に配置
  • YAMAHA: SPX90II (デジタルサウンドプロセッサー)
  • YAMAHA: SPX900 (プロフェッショナル・マルチエフェクトプロセッサー)
  • YAMAHA: MV802 (ラインミキサー)
  • ROCKTRON: HUSH IICX (ノイズリダクションシステム)
  • TOA: PD-15 (パワーディストリビューター)

このツアーから"SR&D: ROCKMAN XPR"が導入されていて、ギターソロ用のブースターはこのツアーでは"YAMAHA: ODE-100"が採用されています。

ちなみに"SR&D: ROCKMAN SUSTAINOR"はオフィシャル・バンドスコア内のインタビューによると基本的にはレコーディング用とのことで、上の写真ではインプットにケーブルが接続されておらずサブ機としてセットされているようです。

また写真では光の反射で見づらいですが機器正面のパネルの特徴からSUSTAINORはMODEL 100または100Aであることがわかります。
(一部で松本さんはSUSTAINORの中で最もレアなMODEL 200 Double ICを使用していると言われているようですが、レコーディング・ツアー共に同じ機材を使用していた『IN THE LIFE』レコーディング以前の機材写真でMODEL 200 Double ICは現在に至るまで確認されていません。恐らく確たる証拠がないのをいいことに中古市場での価格高騰のネタとして拡散したと考えられます。松本さん関連は出元不明の情報も多いので出元を十分確認の上で判断する必要があります。)

パワーアンプ&スピーカー・キャビネット

写真:1990年発行 リットーミュージック『バンド・スコア B'z BREAK THROUGH + BAD COMMUNICATION』P.10

パワーアンプは"MESA/Boogie: COLISEUM 300"のパワー段を使用していて、このアンプは当時のカタログでは"300 MARK TOP"と記載されています。後述のシステム構成図によると"COLISEUM 300"はプリ段だけを使用していてパワーアンプは別のものを使用しているのがわかります。

⇒2020/03/12更新
ツイッター・フォロワーのMurabitさんから"MESA/Boogie: COLISEUM 300"は通常"Mark-III Coliseum Head"と呼ばれているとご教示いただきました。Murabitさん、ありがとうございました。

スピーカー・キャビネットはメサ・ブギー製の4×12タイプを使用していて、ツアーパンフレットにシステム構成図から2台使用しているようです(後述のシステム構成図参照)。

パワーアンプの上にあるワイヤレス・レシーバーは"YAMAHA WXY-11R"です。

チューナー&フットスイッチ&ペダル

写真:1990年発行 リットーミュージック『バンド・スコア B'z BREAK THROUGH + BAD COMMUNICATION』P.10

チューナーとフットスイッチとボリュームペダルは下記のものを使用しています。

  • BOSS: TU-12 (クロマチックチューナー)
  • JEN: CRY BABY SUPER (ワウペダル)
  • YAMAHA: FV-200 (ボリュームペダル)
  • YAMAHA: MFC1 (MIDIフットコントローラー)

オフィシャル・バンドスコアではこれらの機器は「松本さんの足元にある」と記載されていますが、MG-MII 1号機 を使用しているツアー後半の映像ではステージ立ち位置から離れている場合でもサウンドが切り替わっていることから実際にはギターテック側にもフットスイッチが用意されていると考えられます。

ちなみにこのツアー以前の写真でも松本さんの足元にフットスイッチがあるのが確認でき、松本さんの足元がワウペダルとボリュームペダルのみになるのはRISKYツアー からのようです。

システム構成図

オフィシャル・バンドスコア

画像:1990年発行 リットーミュージック『バンド・スコア B'z BREAK THROUGH + BAD COMMUNICATION』P.11

かなり簡略化されたシステム構成図ですが、省略されている機器は後述のツアーパンフレットのシステム構成図と同じと思われますのでそちらを参照してください。

ツアーパンフレット

(クリックで拡大します)

画像:1990年発行 八曜社『B'z LIVE-GYM "BREAK THROUGH" ツアーパンフレット』P.30

ツアーパンフレットに掲載されたシステム構成図の特徴としては赤枠囲みのようにJENのワウペダルの2個使いとパワーアンプの変更と出力(スピーカー・キャビネット)のステレオ化が行われている点です。特にワウペダルを所謂「半ワウ」とペダル・ワウを分けて使用する構想がこの時期に既にあったにもかかわらず、このツアー以降しばらくは採用されていなかったのは理由が気になるところです(恐らくオフィシャル・バンドスコアの方が製作時期が後になるため、そもそもこのシステムが採用されなかった可能性もありそうです…)

⇒2020/03/12更新
"MESA/Boogie: STRATEGY"についてもツイッター・フォロワーのMurabitさんにご教示いただきColiseum Headは通常のMarkシリーズのヘッドのパワー部を6L6x6の200W出力に増強したモデル、Strategyは元々ベース用のラックタイプのステレオパワーアンプですが、当時MetallicaのJames HetfieldがMarkヘッドのプリ部と組み合わせて使用しプロギタリストの注目を浴びたモデルです」とのことです。Murabitさん、ありがとうございました。

ちなみにこのシステム構成図では"YAMAHA: SPX900"が2台になっていますが1台は"SPX90II"と思われますRISKYツアー でも"SPX900"と"SPX90II"が1台ずつセットされているのでほぼ間違いないと思います。

⇒2020/03/09更新
このシステム構成図からディストーションは"XPR"、クリーンおよびクランチなどは以前のツアーから引き続き「SPX50D + COLISEUM 300 (プリ段 )」で作られていると推察されます。クリーンとクランチの詳細は下記記事を参照してください。

【B’z機材】松本孝弘サウンドシステム~最初期編~

おわりに

今回は「B'z LIVE-GYM "BREAK THROUGH"」のサウンドシステムについてまとめました。このツアーだけのシステム構成が採用されるなど「ブラッドショウ・スイッチング・システム」が導入されてひとつの完成形を迎えるRISKYツアー への進化の過程が垣間見えるのは興味深いところです。

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