【B’z機材】Tak松本サウンドシステム~ELEVENツアー編~

今回は「B'z LIVE-GYM 2001 "ELEVEN"(以下『ELEVENツアー』)」のサウンドシステムについてまとめていきます。

メインラック

まずメインラックの中身を上から順に見ていきます。スライドラック内のコンパクトエフェクターは別途記載します。

写真:リットーミュージック『ギター・マガジン』2001年10月号 P.229

左側ラック

  • JUICE GOOSE: RACK POWER-200 (パワー・ディストリビューション・センター)
  • CUSTOM AUDIO ELECTRONICS: Dual / Stereo Mini Mixer (ステレオミキサー)
  • CUSTOM AUDIO ELECTRONICS: GVCA-2 Prototype (MIDIプログラマブル・ボリューム・コントローラー)
  • Slide Rack (コンパクトエフェクター用ラック、3台)
  • CUSTOM AUDIO ELECTRONICS: 4x4 (オーディオコントローラー、5台)
  • CUSTOM AUDIO ELECTRONICS: AMP SELECTOR (4チャンネル・アンプセレクター)
  • CUSTOM AUDIO ELECTRONICS: System Interface (特注の各種インターフェース)

右側ラック

  • JUICE GOOSE: RACK POWER-200 (パワー・ディストリビューション・センター)
  • CUSTOM AUDIO JAPAN: Input Selector (ラインセレクター、ワイヤレス・セレクト用)
  • SAMSON: DA-5 (アンテナ・ディストリビューション・アンプ)
  • SAMSON: UR-5A (ワイヤレスレシーバー、4台)
  • t.c. electronic: TC 2290 (ダイナミック・デジタル・ディレイ)
  • ROCKTRON: HUSH IICX (ノイズリダクション・システム)
  • Eventide: H3000-D/SX (ウルトラハーモナイザー、2台:デチューン用、ディレイ用)

基本的な機材は「B'z LIVE-GYM '99 "Brotherhood"(以下『Brotherhoodツアー』)」を踏襲していて、若干の入れ替えはあるもののほぼ固まっているのがわかります。

コンパクトエフェクター

写真:シンコーミュージック『GiGS』2001年10月号 P.10

各スライドラックの中身は「奥左→右、手前左→右」の順で記載しています。

スライド上段

  • Retrospec: The Squeeze Box (チューブ・コンプレッサー/リミッター)
  • KORG: Kaoss Pad KP-1 (ダイナミック・エフェクト・コントローラー)
  • DigiTech: Whammy WH-4 (ピッチシフトペダル)

スライド中段

  • CUSTOM AUDIO JAPAN: CHIBA 2K WAH (フィックスド・ワウ、中身はBUDDA: BUD-WAH)
  • MXR: Phase 100 (フェイザー)
  • CUSTOM AUDIO JAPAN: AC/DC Station ver.2 (パワーサプライ)
  • MAXON: CS505 (ステレオコーラス)
  • MAXON: FL301 (フランジャー)
  • KLON: Centaur (オーバードライブ、歪み用ブースターとして使用)

スライド下段

  • CUSTOM AUDIO ELECTRONICS: 1x4 Loop Expander (拡張ループ)
  • CUSTOM AUDIO JAPAN: AC/DC Station ver.2 (パワーサプライ)
  • Fulltone: Supa-Trem (トレモロ)
  • MAXON: CS505 (ステレオコーラス)
  • MAXON: FL301 (フランジャー)
  • FAT: Custom Mede Overdrive (試作中のオーバードライブ)

スライドラック外

  • Menatone: Red Snapper (オーバードライブ)

コンパクトエフェクターもBrotherhoodツアーの流れを汲んでいて「B'z LIVE-GYM Pleasure 2000 -juice-(以下『juiceツアー』)」から見られるようになったFAT製オーバードライブが今ツアーでは形を変えて(ノブ数が3つ→1つに変更)引き続き試験運用されているのがわかります。

アンプヘッド

写真:リットーミュージック『ギター・マガジン』2001年10月号 P.229

アンプヘッドはjuiceツアーから引き続き"PEAVEY: 5150Ⅱ"を4台使用していて、ラック上に設置されたアッテネーター"KOCH: LB120 (8Ω)"を併用しています。4台のアンプのセッティングは下記写真の通りです。

(クリックで拡大します)

画像:Peavey発行『 5150Ⅱ Operating Guide』 P.12
写真:シンコーミュージック『YOUNG GUITAR』2001年10月号 P.46

フットボード

写真:リットーミュージック『ギター・マガジン』2001年10月号 P.229

  • CUSTOM AUDIO ELECTRONICS: RS-10 (MIDIフットコントローラ+エキスパンダー)
  • CUSTOM AUDIO JAPAN: FS-1 (ボリュームペダルON/OFFスイッチ)
  • KORG: XVP-10 (エクスプレッションペダル:VCA制御用)
  • DigiTech: Whammy WH-4 (ピッチシフトペダル)

スピーカー・キャビネット&マイキング

写真:シンコーミュージック『GiGS』2001年10月号 P.10

写真:シンコーミュージック『GiGS』2001年10月号 P.10

スピーカー・キャビネットは今ツアーから"Bogner: 412SL Slant Cabinet"と"Bogner:212CB Closed Back Stack Cabinet "のカスタムカラー品が導入され、マイキングも"SENNHEISER: e609"と"SHURE: SM57"に変更されていて、いずれも212CB側にセッティングされています。

⇒2021/01/22更新
上の写真の向かって右側のマイクはキャビネット側が金色なので"SENNHEISER: MD409"とコメントいただきました。下記写真も参照してください。ご指摘ありがとうございました。

写真:リットーミュージック『ギター・マガジン』2001年10月号 P.228

ステージ足元

写真:リットーミュージック『ギター・マガジン』2001年10月号 P.229

これまでと同様にワウペダルとボリュームペダルのみ設置されていて、今ツアーではスピーカー・キャビネットと同様に赤くカラーリング(正確には筐体には革を、ペダル・トップには反射板を貼り付けています)が施されています。

  • BUDDA: BUD-WAH (ワウペダル)
  • KORG: XVP-10 (エクスプレッションペダル:ボリュームペダルとして使用)

ちなみに今ツアーで使用されたブッダのワウは紫色筐体を赤くカラーリングしたものですが、初登場となった「ROCK'N ROLL STANDARD CLUB BAND」ツアー (1996年)やTAK MATSUMOTO GROUPのアルバム『TMG I』(2004年)レコーディング時には初期に存在した黒色筐体のモデルを使用しているのが確認されています (下の写真参照)。

写真左:立東社『ロッキンf 』1999年6月号 P.30
写真右:リットーミュージック『ギター・マガジン』1996年11月号内広告

システム構成図

簡易図

(クリックで拡大します)

画像:シンコーミュージック『YOUNG GUITAR』2001年10月号 P.47

詳細図 (by CAJ)

(クリックで拡大します)

画像:リットーミュージック『ギター・マガジン』2001年10月号 P.229

(クリックで拡大します)

画像:リットーミュージック『ギター・マガジン』2001年10月号 P.229

注)このシステム詳細図ではスピーカー・キャビネットが"VHT"となっていますが、正しくは"Bogner"です。

簡易図と設計したカスタム・オーディオ・ジャパン(以下「CAJ」)が起こした詳細図を載せています。基本的なシステム構成・接続は「B'z LIVE-GYM Pleasure '95 "BUZZ!! 」の頃から変わっていないことから既に完成されているのがわかります。

また、この詳細図からわかるように当初は"Red Snapper"が接続されていたループにFAT製オーバードライブが導入されたことになります。ということはスピーカー・キャビネットも当初は"VHT"で設計されていて、最終的に"Bogner"に変更された可能性もありそうです(juiceツアーがVHTキャビなので踏襲する予定だったのかも…)。

"CAE 4x4"の拡張性はB'z発で実現!

余談ですが今回のシステムでは5台使用されている"CAE 4x4"は1990年代の発売当初、同時使用は2台までの制約があったものを「BUZZ!!」のシステム構築にあたって同時に3台使う必要が生じたためアメリカのボブ・ブラッドショウに連絡をして3台同時に使用できるまったく新しいロムをデザインしてもらった(出典:リットーミュージック『ギター・マガジン』1995年10月号 P.256)ことがきっかけとなりその後に至っています。

発売以降世界中のトップギタリストが使用していた"CAE 4x4"の拡張性がB'z発で実現したところに当時の勢いを感じます。

おわりに

今回は「B'z LIVE-GYM 2001 "ELEVEN"」のサウンドシステムについてまとめました。"PEAVEY: 5150Ⅱ"をメインに据えた今ツアーやアルバム『EVELEN』のサウンドは「個人的にもB'zの過去の作品の中で、特にギターの音が良いと自負しています(出典:シンコーミュージック『YOUNG GUITAR』2020年12月号 P.37)」と語っているほどで、現在のメインアンプ"FAT: 80/84"も「B'z『ELEVEN』(2000年)の頃に使っていたピーヴィー"5150Ⅱ"の路線を狙い、プレゼンスの帯域を変更して超重低音域が強く出るようにしてある(出典:シンコーミュージック『YOUNG GUITAR』2020年9月号 P.26)」とされるなど、今なお松本さんの嗜好にマッチしていることがわかります。

またこのツアーはキャナリーイエロー (CY) Tak Burst (Prototype) のサウンドの対比も楽しめるので、この機会に改めてELEVENツアーの映像作品を鑑賞してみるのも面白いと思います(※プロトタイプのTak Burstは木部からピックアップに至るまで市販品のTak Burstとはかなりの違いが見られますのでサウンドも大きく違う可能性が残されていますので悪しからず)。

⇒2022/02/12更新
ギターテックが後年語ったところでは「この頃にTak Burstが出来てきたので、今までのキャナリーイエローだけの時に比べて、各ギターのバランスを取る作業が難しくなってきました(出典:2003年発行 エムアールエム『music freak magazine Vol. 98』P.48)」とのことです。

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