【B’z機材】近年愛用の青いストラトはアッシュ・ボディ

近年のレコーディングや2019年開催の「B’z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE-」で使用された1969年リイシューの青いストラトキャスター #R62497(以下「#R62497」)の詳細が同仕様でオーダーされた楽器店から発表されました。

これまではギターブックを含めてカスタムショップ製の1969年リイシューということ以外はほとんど知られていませんでしたので、同仕様の楽器店オーダー品をもとに簡潔にではありますがまとめていきます。

松本さんが#R62497を入手した経緯などは省略しますのでこれまでの専門誌やギターブックなどを参照してください。

写真:リットーミュージック『ギター・マガジン』2019年11月号 P.248

ボディ材はアッシュ!

1969年仕様のストラトキャスターは通常ボディ材にアルダーが使用されていますが、#R62497のボディ材はアッシュであることが判明しました。この1点だけでも#R62497が一般的な1969年リイシューではないことがよくわかると思います。

ギターブックや過去の専門誌を確認してもレイク・プラシッド・ブルーの塗装に控えめに施されたレリック処理からはボディ材の木目を確認するのは困難でしたので#R62497がアッシュ・ボディとは思わなかったストラト・ファンの方も多かったのではないでしょうか。電子書籍版のギターブックの写真を拡大するとアッシュの木目が浮き出ているのがわかりますがヒントなしで気付くのはかなり難しいと思います。

同仕様の楽器店オーダー品をチェック

#R62497および同仕様の楽器店オーダー品はボディ材と塗装以外はオリジナルの1969年製ストラトキャスターの仕様をほぼ踏襲しています。

以下は同仕様の楽器店オーダー品の主な仕様です。

  • ボディ材:アッシュ2ピース
  • ボディカラー:レイク・プラシッド・ブルー
  • ネック材:メイプル
  • ネック形状:1969 Uシェイプ (1フレット:21.59mm → 12フレット:23.11mm)
  • 指板材:ローズウッド
  • 指板形状、フレット数:7.25インチ・アール、21フレット
  • フレット:ヴィンテージタイプ 45085
  • ピックアップ:Josefina Hand-Wound '69 Stratocaster
  • 塗装:オール・ラッカー (レリック処理)

同仕様のオーダー品は基本的には#R62497に準じていて、ピックアップはホセフィーナ・カンポス氏によって手巻きされた"Josefina Hand-Wound '69 Stratocaster"が搭載されています(#R62497のピックアップについてはオーダーされた楽器店からは公表されていないため明言は避けますがカスタムショップ製品の歴史を遡ると答えは見えてくると思います)

またアールがきつめの指板やヴィンテージサイズの小さめのフレットなどが松本さんが多用するギターとしては少し意外な仕様という印象です(一部のヴィンテージ・ギターを除く)。

もう1点、仕様上の違いではありませんが#R62497と比較すると同仕様の楽器店オーダー品には強めのレリック処理が施されているのが特徴です。レリック処理の雰囲気やサウンドはオーダーされた楽器店の公式YouTubeチャンネルで公開されていますので是非視聴していただきたいと思います。

おわりに

以上、簡単にですがまとめました。#R62497は指板やフレットなど特にネック周りが松本さんの好みとして認識されている仕様とはややかけ離れている印象がありますが「とにかく弾きやすくてサウンドも素晴らしい(出典:2021年発行 リットーミュージック『TAK MATSUMOTO GUITAR BOOK』P.102)」と語るなど気に入っている様子が窺えます。

またファンの中にはB'zをコピーする上でストラトは使用頻度の低さも相まってなかなか購入まで至らない、あるいはこの1本という個体に絞り切れない方も多いと思います。

今回発表された#R62497と同仕様の楽器店オーダー品はそのような方には候補となりうる1本ではないかと思っています(かなり高価ではありますが…)。また近年のアッシュ材枯渇の影響で今後アッシュ・ボディのストラトは入手困難品となりそうですので、一時期(主にマスタービルダー製品で)よくあった「ヴィンテージや現行品とは少し変わった仕様のストラト」としても面白い1本ではないかと思います。